$ 0 0 日本では「口裂け女」や「ベッドの下に潜む男」など、海外では「13日の金曜日」など、常に人々の心のどこかに恐怖を感じさせている“都市伝説”だが、とりわけその伝説が生まれやすいのが“戦場”だ。 兵隊やテロリストたちの幽霊、陰謀説など戦場には幾多の都市伝説が生まれる。確かに、人間の負の感情が渦巻く現場だと考えれば、それは当然のことなのかも知れない。 気鋭のノンフィクション作家、石井光太氏が執筆した『戦場の都市伝説』(幻冬舎/刊)はそうした戦場や紛争地域で生まれた都市伝説や噂話を通して、「不都合な真実」を解き明かそうとする意欲作だ。 本書の中から、2003年に勃発したイラク戦争での話「僕の仲間を助けてください」をピックアップしよう。